パーソナリティ障害という見方②
こんにちは。
この記事を開いていただきありがとうございます。
前回はパーソナリティ障害とは何かということをざっと見ました。
>>パーソナリティ障害という見方① - きのしたの心理的追想録
今回からは僕が経験した個々のパーソナリティ障害について見ていきたいと思います。
そして今日紹介するのは、
自己愛性パーソナリティ障害
です。それではいきましょう。
自己愛性パーソナリティ障害チェック
自己愛性パーソナリティ障害は次のような特徴をもちます。
チェックテスト形式になっているので、チャレンジしてみてください。
自己愛性パーソナリティ障害
誇大性(空想または行動における)、賞賛されたいという欲求、共感の欠如の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される。
(1) 自己の重要性に関する誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)
(2) 限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
(3) 自分が"特別”であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人たちに(または施設で)しか理解されない、または関係があるべきだ、と信じている。
(4) 過剰な賞賛を求める。
(5) 特権意識、つまり、特別有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する。
(6) 対人関係で相手を不当に利用する、つまり、自分自身の目的を達成するために他人を利用する。
(7) 共感の欠如: 他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
(8) しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
(9) 尊大で傲慢な行動、または態度
いかがでしょうか?
ざっと見てみて5つ以上当てはまるようなら自己愛性パーソナリティ障害かもしれません。
デメリット
この障害を持つことによって引き起こるデメリットはいくつかあります。
たとえば、
・非難に弱い、ときには鬱や引きこもりに
・他者を冷酷に利用する
・尊大な態度をとらずにいられない
などです。
どれをとっても社会不適合を引き起こしてしまいそうな特徴です。
とくに一つ目の特徴、鬱、引きこもりは少し意外かもしれません。
この障害を持つ人はプライドが高く尊大に見えるので、自信満々にも見えます。
ですのでなぜ鬱や引きこもりに?と疑問に思うかもしれません。しかしカラクリは簡単です。
過剰なプライドや自信は劣等感の裏返しだからです。
そこには自己愛の傷つきがあります。自分を愛し、大切にする能力が低い。
だからこそ自分には存在価値があるんだ!ということを周囲に認めさせるため、尊大になってしまいます。
ではどのように克服すればよいかが気になるかもしれません。
その前にメリットも見てみましょう。
メリット
パーソナリティ障害の面白いところは、必ずしもデメリットしかないということはないことです。
パーソナリティ障害は性格特性の延長上にあるものなので、その特性を活かせると強いパワーとなります。
自己愛性パーソナリティ障害の場合には、自分は特別な存在だと認めてもらうために人並み外れた努力や能力を併せ持ちます。
天才や一流という言葉が好きなのも特徴です。
この特性を上手に活かせば社会的に成功していくこともできるでしょう。
自己愛性パーソナリティ傾向を持っていても社会に馴染んで苦痛を感じていないのであれば治す必要はありません。
高い能力を発揮してかえってうまく生きていけるかもしれません。
問題は、社会的には成功してるのになぜか辛い、という場合です。そういう場合は治していくことが必要です。
どう克服するか
自己愛性パーソナリティ障害を引き起こす最大の原因は、
成功していない自分には価値がない
という思考です。
この考えによって理想と現実にギャップを感じたとき、強く自分を責めてしまい憂鬱になります。
ではどうすればよいかといえば、
別に成功していなくても自分は生きていていいし、価値のある存在だ
というふうに考え方を変えていくことです。
最後に
自己愛性パーソナリティ障害はデメリットもあればメリットもあります。
繰り返しになりますが、デメリットの方が強く出てしまいどうしても苦しい場合だけ、改善していけばよいと思います。
誰にとっても大切なのは社会の中で安心して生きていくことです。
それでは、また次回に。