世渡りを教えてくれる!『国盗り物語』

最近、司馬遼太郎さんの『国盗り物語』を読みました。

 

一言で感想を言うと最高でした。

 

僕はいままで世渡りというものがとても苦手でしたが、この本を読んで少しだけ世渡りの何たるかが少しだけ分かった気がします。

 

人には人の世渡りがある。

 

それを教えてくれるのがこの本です。

 

全4巻からなってる大作で、主人公は3人います。前半2巻は”美濃のマムシ”と呼ばれた男、斎藤道三。後半の2巻はその弟子のような存在である超有名な2人織田信長明智光秀

 

意外なことに織田信長明智光秀にはきってもきれない縁があったんです。それが斎藤道三の存在。明智光秀斎藤道三の甥にあたり、織田信長斎藤道三の義理の息子になります。

 

そして、そのどちらもが早い段階から斎藤道三に能力を認められていました。

 

印象としては、

 

織田信長 → 天才

明智光秀 → 秀才

 

という感じです。

 

この3人の関係は掘り下げていけばキリがなさそうなので、気になる方は本編を読んでもらうとして、今日は斎藤道三の世渡りについて見ていきたいと思います。

 

斎藤道三

 

この人はお寺で幼少期を過ごしたひとで、本も読み教養のあるひとでした。しかし、青年期にお寺を飛び出しそこからとんでもない人生を送ります。

 

この人が”美濃のマムシ”と呼ばれた理由はその生き方にあります。

 

一言で言うなら、策略。

 

当時、戦国の世で美濃(現在の岐阜)は非常に重要な土地で、この土地を制したものは天下を制すとまで言われた地です。

 

その土地に早くから注目し、天下を取るならこの美濃の国を盗るしかない。そう考えて斎藤道三はこの国を乗っ取りにかかります。

 

しかし、当時道三はお寺を飛び出したばかり。つまり、浮浪者です。

 

そして、驚くことに浮浪者の身でありながら本当に美濃の国を盗ってしまいます。

 

その手腕は鮮やかです。相手を魅了するような芸を身に着け大衆を引き付けることから、女性を狂わせ味方につける、時には義に生きる。

 

とてもエネルギッシュで、魅力的。

 

そして、僕がこのひとから是非学びたいと思ったのは、緩と急の切り替えのうまさ

 

たとえば、出世の最初の糸口をつかむとき道三は何をしたか。何をしたと思いますか? 各地を駆け回り働いたか? 身を粉にして何かに従事したか?

 

違うんです。

 

道三は釣りをしました。

 

1週間もの間だらだらとです。

 

なぜなら釣り人は話しかけやすく、自然と人に話しかけられ情報が集まってくるからです。

 

それにしても1週間も釣りをする(しかも目的は情報収集なので針もつけてません笑)のは退屈でしょう。それでも道三は気長にやり続けます。

 

このように焦るばかりでなく、時には気長に待つというこのもできる人なのです。

 

これはとても大切なことだと感じます。いつもいつも焦ってばかりいるのではなく、待つべき時は気長に待つ。緩を持つことです。

 

では、まだまだ見どころは無限にある斎藤道三ですが、今回はこのくらいにしたいと思います。

 

興味あるひとはぜひ読んでみてください! すごくお勧めです。